2020年から小学校で始まるプログラミング教育。
お子さんを持つパパママの中には、
「うちの子はプログラミングの授業についていけるかな」
「必修化される前にプログラミング教室に通わせた方がいいのかな」
こう思う方も多いでしょう。
結論から言うと、小学校でのプログラミング教育の準備は、
プログラミング教室に通わなくても、家庭でできます。
今回は子供をプログラミング教室に通わせる前に家庭でできることや、
家庭でプログラミングに触れる方法を紹介します。
2019年子供にさせたい習い事ランキング1位の「プログラミング教室」
株式会社イー・ラーニング研究所のアンケート調査によると、2019年子供にさせたい習い事ランキングの1位は「プログラミング教室」。
これは2020年から始まる小学校でのプログラミング教育を見据えての結果でしょう。
しかし「公教育でプログラミングが必修化になる=プログラミングスクールに通わなければならない」というわけではありません。
ここからはそのような、プログラミング教育必修化で誤解されがちなポイントを解説します。
そもそもプログラミングとは?
プログラミングとはコンピューターを思い通りに動かすために行うことです。
「プログラミング言語」と言う、コンピューターに理解できる言語を使って指示の内容を書いていきます。
このようなコンピューターにさせる動きをプログラムしていく一連の作業のことを、「プログラミング」と言います。
例えば私たちの生活に置き換えて考えるとすると、料理のレシピがわかりやすいです。
レシピでは準備する材料とそれぞれ分量や、料理の工程を順序立てて書いてあります。
コンピューターのプログラムもそのように、コンピューターにさせたい動きを一つずつ順序立てて、書かれたものです。
「プログラミング必修化」でありがちな誤解
「小学校でプログラミング教育が行われる」と聞くと、
プログラミング言語をコードする(書く)作業をイメージしている人が多いかもしれません。
しかし2020年から始まる小学校でのプログラミング教育は、
テキストコードを打ち込むような本格的な技術を学ぶ場になるわけではありません。
では小学校でのプログラミング教育では何を学ぶのかというと、例えば以下のような内容です。
- 身の回りのものがプログラムで動いていることを知る
- プログラミングをする上で役立つ考え方を身につける
このような小学校でのプログラミング教育の内容は、文部科学省の資料でも確認することができます。
文科省が提示する「小学校プログラミング教育の手引き」
お子さんをプログラミング教室に通わせる前にぜひ読んで欲しいのが、
文科省が提示している「小学校プログラミング教育の手引き」です。
これを読めば、小学校のプログラミング教育ではどのようなことを教えられるのかがわかると思います。
例えば文部科学省の資料の中では以下のようなことが明記されています。
プログラミング教育を通じて、 児童がおのずとプログラミング言語を覚えたり、プログラミングの技能を習得したりすることは考えられるが、それ自体を、ねらいとはしない。
つまりこれは、「プログラミングスキルを身につけることを目的とはしない」ということです。
以下の記事でも小学校プログラミング教育について解説しているので、参考にしてください。
プログラミングスクール(教室)通わせる前に知っておきたい2つのこと
ここまでの解説で、
「小学校のプログラミング教育って、思っていたのとなんだか違う?」
と思われた親御さんも多いはず。
ではここからはもう少し、小学校でのプログラミング教育の目的を詳しく見ていきましょう。
これを読めば、必修化の前に家庭でもできることがわかります。
小学校では「プログラミング的思考」を養うのがねらい
小学校のプログラミング教育で重視されるのは、「プログラミング的思考」というものです。
文部科学省の資料では、「プログラミング的思考」について以下のように示されています。
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力。
「プログラミング的思考」をもっともイメージしやすいのが「料理」でしょう。
例えばカレーを作ろうとするとき、まずは肉やジャガイモ、玉ねぎ、カレールーといった食材を分量分準備し、
食材を切る工程、炒める工程、そして煮込む工程などいくつかのステップを順序通りに踏んで、カレーを完成させていきます。
このように、ある目的を達成させるために、物事を順序立てて考えていくことが、プログラミング的思考に役立つのです。
プログラミング的思考力は家庭でも養える
先ほどの例を読んだ人ならわかると思いますが、プログラミング的思考は家庭でも養うことができます。
なので「プログラミング教育必修化=プログラミング教室に通わせないとついていけない」と焦る必要はありません。
大事なのは物事を順序立てて考える力をつけたり、その中で何か問題が生じたときに、どの段階をどう改善させれば良いのかを考える力をつけたりすること。
これは日々の生活の中でもできることです。
次の項目からは、家庭でもプログラミング的思考を養える方法を紹介するので参考にしてくださいね。
家庭でできるプログラミング教育の準備
小学校でのプログラミングの授業は、プログラムを組む時の考え方を養うのを主な目的としています。
このようなプログラミング的思考は、家庭でも養うことができます。
今回は家庭でできるプログラミング必修化の準備として、6つの方法を紹介します。
家庭でできる準備その1:料理を作る
ここまで何度か出てきたように、料理はプログラミング的思考を養える代表的な事例です。
料理を作るため必要なステップを考えて、その通りに調理を進めていく一通りの作業は、論理的思考力につながります。
また出来上がった料理に何か問題があった場合、どの工程を改善すればいいのかを考えるのも重要です。
例えばカレーが完成した時に
- 「もう少し野菜が煮込まれていた方がよかったかな」
- 「もう少しトロみがあった方がよかったかな」
となった時は……
- 「ルーを入れる前に煮込む時間をもう少し長くすればよかった」
- 「入れる水の分量とカレールーの量が合っていなかったのかな?」
などと考えるきっかけを持たせてあげましょう。
これは問題点と、その問題を解決するために改善すべき工程を見つけ出す力を養うきっかけになります。
このような力を「問題解決力」というのですが、これはプログラミング的思考力を養うためにも非常に重要とされています。
レシピを子供自身が考えるとさらに未来型スキルを養える!
ここまではレシピありきの料理について述べてきましたが、
レシピ自体を子供が考えることで、さらに思考力や表現力を養うこともできます。
この思考力や表現力は、プログラミング的思考にも役立ちますし、これからの“AI時代”でもなくてはならないとされるスキルです。
小学校での教育も、子供たちのこのようなスキルを養うため、「生徒主体」の内容にシフトしてきています。
しかし、日頃の生活でゆっくり子供と料理をする時間をなかなか作れないのも事実。
「子供にレシピを考えさせる暇なんてない」というご家庭も多いでしょう。
そこでご紹介したいのが、「ハクシノレシピ」というサービスです。
ハクシノレシピは“キッチン学”で子供の脳を育てる
ハクシノレシピとは、料理を通して創造性・自己肯定感・自身を養えるサービスです。
自宅のキッチンを使った、いわゆる出張型お料理教室ですね。
しかし一般的な料理教室とは異なる特徴があります。
それは、作るメニューやレシピをお子さん自身が考えること。
普段は限られた時間の中で料理を作らなければならないため、なかなか子供自身にメニューを決めさせる機会は持てませんよね。
また子供がメニューを考えたとしても、買い出しや調理、片付けなど、全てを任せるのは難しいです。
しかしハクシノレシピを使えば、第三者(エプロン先生)にその工程を任せられます。
お子さんの発想力や試行錯誤する力を、ゆっくりと養うことができるでしょう。
この度、ハクシノレシピを運営するHacksiiさんからご紹介いただき、
我が家もこのサービスを体験させていただけることになりました。
体験後はレポートをこちらでアップしますので、ぜひご覧くださいね。
この記事を書いた後日、ハクシノレシピの体験をさせていただきました!レポートもアップしましたのでご覧くださいね
ハクシノレシピ について詳しくは、以下の公式サイトをご覧ください↓
家庭でできる準備その2:科学実験にトライ
科学実験を行うのも、プログラミング的思考を養うのにぴったりです。
またこれからはSTEM教育が重要とされていますが、この点を考えても科学実験は最適な方法と言えます。
実験の工程は物事を段階的に考えるきっかけになりますし、ある程度予想を立てて実験を進めていくのも、論理的思考力を養うのに役立ちます。
ここでぜひポイントにしてほしいのが、実験を行う前に、お子さんに「どんな結果になると思う?」と考えるきっかけを作ること。
また、もし実験がうまくいかなかった時は、「どうしてうまくいかなかったのだろう?」と考える機会もぜひ作ってあげてください。
これがあるかないかで、実験の意味が大きく異なってきます。
そして上手く結果が出なかった場合、もう一度実験にチャレンジさせてあげましょう。
このような予測する力や上手くいかなかったときに改善させる力は、
お子さんの人生においても役立つことでしょう。
ぜひ夏休みの自由研究などで、親子で科学実験にチャレンジしてみてくださいね。
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家庭でできる準備その3:身の回りのプログラムを見つける
身の回りでプログラムで動いているものを見つけるのも、プログラミング的思考を養うのに役立ちます。
例えばご飯を炊くときに使う炊飯器。
ガスでご飯を炊くには火加減をこまめに調節していかなければいけませんが、炊飯器では自動で調整を行ってくれますね。
これもプログラムのなせる技です。
また近年は、お米の品種ごとに炊き方を変えられる炊飯器も販売されています。
このような炊飯器のことを調べて、それぞれの炊飯工程がどのように変えられているかを調べてみるのも面白いでしょう。
この他にも洗濯機やエアコンなど、家の中だけでもプログラムで動いているものが溢れています。
それぞれどのようなプログラムになっているのかを考えるクイズを出し合うのも楽しいでしょうね。
関連記事:イベントは「プログラミングって何?」というお話からスタート|プログラミングトイ Sphero SPRK+をAppleストアで体験してきた!
家庭でできる準備その4:絵本でプログラミング的思考に触れる
ここまで解説してきた通り、プログラミング的思考力はコンピューターがなくても養えます。
実は読み聞かせにぴったりな絵本でも、プログラミング的思考力を養えるものがあるんです。
中でもおすすめしたいのが、「ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング」と言う絵本。
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以下の記事でも紹介していますので、参考にしてください。
ルビィのぼうけんは、フィンランドのプログラマである、リンダ・リウカスさんが描いた絵本。
主人公のルビィが、プログラムの世界を冒険する物語です。
私のおすすめは絵本の後半にある演習問題です。
この中では、普段の生活の中でプログラミング的思考を養うきっかけとなる問題が出されるんです。
例えば「ルビィの服えらびのルール」の問題。
ルビィはおしゃれにこだわりがあって、曜日ごとにそれぞれ着る服を決めています。
これは「パターン」を見つける練習で、それぞれのルールに合った服を、クローゼットにある服から選び出していきます。
ルビィの服えらび問題は、翔泳社特設サイトからも見られます!↓
ルビィのぼうけん特設サイト|翔泳社
ルビィのぼうけんシリーズはわたしも娘もお気に入りの絵本です。
この機会にぜひチェックしてくださいね。
家庭でできる準備その5:無料で学べるアプリや学習サービスを活用
ここまでは、プログラムを組む際の考え方=プログラミング的思考を自宅で養う方法を紹介してきました。
しかし親御さんの中には、そこから一歩進んだ「本格的なプログラミングスキルを養わせたい」と思う方もいるでしょうね。
そのような場合も、いきなりプログラミング教室に通う必要はありません。
近年は子供でも学習しやすいプログラミングアプリや、プログラミング学習サービスが多数リリースされているのです。
特にプログラミングアプリは無料でダウンロードでき、スマホやタブレットなどで学習できます。
お子さんがはじめに体験するにはぴったりのサービスでしょう。
以下の記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
家庭でできる準備その6:プログラミングトイ(おもちゃ)やロボットで遊ぶ
近年は小学生や幼児向けのプログラミングトイやロボットも多数販売されています。
教室に通う前に、このようなアイテムを使って自宅で遊んでみるのもおすすめです。
例えばプログラミング的思考でも重要となるSTEM分野のスキルを養えるおもちゃ(ロボット)として、以下のようなものがあります。
下の記事でも紹介しているので参考にしてくださいね。
中でもキュベットは、3歳〜小学3年生対象のプログラミングトイロボットです。
コンピューターやタブレットなしでプログラミング的思考を養えます。
私たちもこのロボットを体験しましたが、簡単そうに見えて頭を使うので、小学校低学年のお子さんにもぴったりだと思いました。
以下の記事で体験イベントの模様を書いているので、参考にしてくださいね。
プログラミング教室に通う前にまずは体験する
ここまで紹介した方法なら、家庭でプログラミング的思考やプログラミングスキルを養うことができます。
しかしこれらの方法を試した上で、それでもやはりプログラミング教室に通わせたいと考える親御さんもいるでしょう。
実際にプログラミング教室では、教室で学ぶからこそ得られるメリットが存在します。
例えば以下のようなものです。
- 仲間と励まし合いながら学べる
- プログラミングのプロから学べる
- プログラムを発表するプレゼン力が身に付く
- 先生からのフィードバックでスキルを高められる
しかし実際に教室に通う前に、体験してみるのが非常に大切です。
プログラミング教室の中には無料の体験を受けられることろが多数あります。
まずはそのようなものに参加して、お子さんの反応を見て、お子さんに本当に合った教室を選んであげましょう。
なぜ今プログラミング教育が必修化されるのかを理解する
最後になりましたが、そもそもなぜプログラミング教育が必修化されるのかを理解しておくのも重要です。
プログラミング教育必修化の背景には、深刻なIT人材不足があります。
2030年には約79万人ものIT人材が不足するとも言われており、
将来を生き抜くためにはITスキル・プログラミングスキルを養うことが重要とされています。
詳しくは以下の記事でも書いているので、参考にしてください。
プログラミング必修化の準備は、できることから始めよう
小学校でのプログラミング教育は、プログラミングスキル上げること自体を目的としたものではありません。
プログラミング的思考という、プログラミングを行う上で基盤となる考え方を養うことをメインとしています。
このプログラミング的思考は、家庭でも養うことができます。
慌ててプログラミング教室に通わせるのではなく、
まず物事を順序立てて考えるきっかけを作ることから始めてみましょう。
プログラミング教室に通う際も、まずは体験教室などで試しにやってみるのが大切。
体験した上で、お子さんに合った教室を探しましょう。