子供たちがこれから生きていく時代は、「AI時代」とも言われます。今回はそんなAI時代に役立つスキルを養える、習い事についてピックアップします。
最近、こんなことをよく耳にしませんか?
「いまの仕事の半分以上がAIに奪われる」
「専門性の高い仕事ほどAIに奪われる」
特に子育て中のパパやママの中には、
「うちの子が将来就ける仕事はあるのだろうか?」
「AI時代を生き抜く力を養うためにはどうしたらいいのだろうか?」
と考える人も多いでしょう。
そこで今回は、AI時代に役立つスキルについてピックアップし、それぞれのスキルを養える習い事を紹介します。
これを読めば、AI時代を生き抜く力を養うきっかけをつかめるでしょう。
AI時代に対応=テクノロジー系の習い事がいいとは限らない
「AI時代を生き抜くための習い事」と聞くと、テクノロジー系の習い事をイメージする人も多いのではないでしょうか。
例えば小学校での必修化で話題のプログラミングや、サイエンス教室などもテクノロジー系の習い事として挙げられます。また近年は、ロボット教室も人気が高い習い事の一つです。
早期のプログラミング学習がブームだけど……?
テクノロジー系の習い事の中でも、特に近年人気なのがプログラミング教室でしょう。
2020年からは小学校からプログラミング教育が必修化されることもあり、
「2019年に子供にさせたい習い事ランキング」の1位にも躍り出るほど、注目の習い事です。
近年は小学校入学前の幼児期からプログラミング的思考が養える教室が展開されたり、
プログラミングのおもちゃなども多数リリースされています。
もちろんこれらの教室やプログラミングトイなどで学べる内容は、子供たちの将来に役立つものです。
しかしプログラミングを学ぶこと自体が目的化するのは避けるべきでしょう。
大切なのは身につけたITスキルを、どのように生かすのかを考えることです。
「プログラミングによって何を作るのか」
「それを作るのは何故なのか」
「作ることでどのように世の中に役立つのか」
このような人間的な考え方が、AI時代には重要になってくるのです。
AIを開発する人材は限られたもの
「AI時代を生き抜くためには、AIを開発する側の人材になろう」と言う考え方もあります。
中にはAI開発に用いられるプログラミング言語Pythonを、お子さんに学ばせようとしているパパやママもいるかもしれません。
もちろんプログラミングを学ぶことは将来に役立ちますし、Pythonはプログラミング学習の導入としてもおすすめの言語です。
しかしAIの開発に携わることができるのは、限られた人材であることも理解しておきましょう。
以下の内閣府の資料によると、AIの開発に携わるような「先端IT人材」は、国内で年に数千人育成するのが理想とされています。
果たしてこの限られた人材を一直線に目指すことが、将来を生き抜く道として理想なのでしょうか?
以下の記事でもこの疑問について触れられています。
参照:AI時代に生き残る人たち 私たちは“AI人材”を目指すべきなのか|ITmedia NEWS
AIにはできないことを伸ばすことも大切
AI時代を生き抜くスキルを養う方法として、ここからは少し発想を変えてみましょう。それは、「AIにはできないことを伸ばす」考え方です。
AIには不可能なことがない、いわば魔法のようなツールのように思われがちです。しかし実際はそんなことはありません。
例えば実際に企業にAIを導入するとしても、活用のためには膨大な学習データが必要になります。
画像分析のためには膨大な画像データが必要ですし、商品の購買予測をするためには、その購買データもたくさん必要になってきます。
つまりAIは過去のデータを元にした解を導くことは得意とするのですが、前例のないものから新しいものを生み出すことは今のことろできないのです。
つまりそのような創造性や独創性は、AI時代であっても人間が担うものと考えられます。
なので子供たちがAI時代を生き抜くためには、このような創造性や独創性を養うのが大切と言えるのです。
AI時代に役立つ習い事の5つのキーワード
では子供たちがAI時代に役立つような創造性や独創性を養うためには、どのような習い事を選べばいいのでしょうか。
今回は以下の5つのキーワードで解説していきます。
- 独創性
- 感性
- コミュニケーション
- 体力
- 脳発達
独創性を養える習い事
キーワードの一つ目として上げられるのが「独創性」です。あなたも普段の生活で、独創性のあるものには訳もなく惹かれることがないでしょうか?例えばアート作品など、芸術分野もその一つです。
これらの魅力は人間の心理に関わるものなので、AIには予測しにくいのではないでしょうか。
独創性を養える習い事として挙がるのが、以下のようなものです。
- 絵画教室
- 造形教室
- ものづくり教室
これらの教室で行うようなことは、家庭ではなかなかじっくりできないことでしょう。
なので子供の独創性を発揮できるような習い事に通って、自宅ではできないような発想力や想像力を養う機会を与えるのもいいでしょう。
感性を養える習い事
子供の感性を養える習い事とは、例えば以下のようなものです。
- リトミック
- ピアノ
- バイオリン
- ミュージカル
例えばピアノは音感を育てるだけでなく、左右の手を複雑に動かすことにより脳の発達にも役立つとされています。
またピアノやドラム、バイオリンなどの楽器を使う音楽教室もおすすめですし、ボーカル教室やミュージカルなどもいいでしょう。自分の気持ちを歌で表す表現力も身につきます。
感性を養うことで得られるメリットの一つとして、人との共感性を高められる点が挙げられます。
この「共感性」は、AI時代を生き抜くための人材育成のコンセプト「STEAM」教育でも重要視されています。
STEAMとは?
Science(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Art(芸術)・Mathematics(数学)の頭文字をとって作られた造語。それぞれの分野を総合した学びとして注目される教育コンセプト。
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コミュニケーション能力を養える習い事
AI時代であっても、人と人との関わり合いは重要です。なので基本的なコミュニケーションスキルは備えておいた方がいいでしょう。
コミュニケーションスキルを養える習い事としては、以下のようなものが挙がります。
- 英会話教室
- サッカーや野球などのチームスポーツ
- プログラミング教室
これからはますます海外との垣根がなくなり、グローバルに活躍する人材が求められる時代になっていきます。
そういった意味でも、英会話教室で英語でもコミュニケーションできるスキルを身につけるのは重要と言えるでしょう。
またプログラミング教室と聞くと、ITスキルを養うことのみが注目されがちですが、
中にはチームでプログラムを組むカリキュラムが実施されている教室もあります。
このようなプログラミング教室では、チームのメンバーと話し合いながらプログラムを組むことで、
コミュニケーションスキルやみんなで問題を解決する力を養うことができるでしょう。
体力を養える習い事
子供たちが健康的な毎日を過ごすためにも、基本的な体力は十分につけておくべきです。
子供の頃から運動が習慣化されており、基礎体力がしっかり身についていれば、
将来的に「やりたいことがあるけど体力が追いつかない」といった事態も避けられるでしょう。
またタフな精神はフィジカルが鍛えられているからこそ宿るとも言われます。
先の見えない将来を生き抜く力も、基礎的な体力の上に養われるとも考えられるのです。
体力を養える習い事として代表的なものは、以下のようなものです。
- スイミング
- サッカー
- ダンス
- 空手
とくにスイミングは子供の習い事として定番でしょう。
またサッカーなどの団体スポーツは、コミュニケーションスキルも養えるのでおすすめです。
お子さんが興味があり、やりたいと感じるものからトライしてみましょう。
脳の発達を促す習い事
AI時代に役立つスキルとして、思考力や問題解決力が挙げられます。これらのスキルは、「未来型スキル」とも言われており、2020年から小学校で始まるプログラミング教育も、思考力や問題解決力を養うことが目的とされています。
なのでこのような「考える力」を養うために、脳の発達を促す習い事をするのもおすすめです。
例えば手先を動かすことは、脳の発達に好影響を与えられます。手先や指先を動かすことで脳が刺激され、成長や発達が促されるとされています。
脳の発達を促す習い事とは、例えば以下のようなものです。
- ピアノ
- 裁縫
- そろばん
これらはいずれも手先を動かす習い事です。中でもそろばんは右脳も左脳も使う習い事として注目されています。
参照:そろばんで得られる脳の効果とは? 身につくことは?|ベネッセ教育情報サイト
本当に習い事が必要かどうかを考えよう
ここまでAI時代に養うべきスキルと、それに応じた習い事を紹介してきました。
しかし今回紹介したスキルは、習い事をしないと養えない、というわけではありません。
例えばコミュニケーションスキルは、家族間で会話を充実させることで十分養えます。
お子さんの話をゆっくり頷いて聞いてあげるだけでも、お子さんが自分のことを言語化するスキルが養えるのです。
なので今回紹介したキーワードを考えて、家庭でもできることから始めてみてください。
きっと親子の絆を深めるいい機会になるはずです。
人の気持ちを慮る習慣を日頃からつける
AI時代に必要なスキルとして、「共感力」も挙げられます。
AIは膨大なデータから結果を導き出すことはできますが、前例のないことから何かを生み出すことは今のことろできません。
例えば行動には現れていない消費者の潜在的ニーズを読み取ることは、AIには難しいです。
つまりそのような潜在的ニーズは、人だからこそ気づけるもの。その時に必要となるのが消費者の立場に立って考える「共感力」なのです。
日頃から共感力を養うためには、人の気持ちを慮る機会を増やすことが大切です。
例えばお子さんが幼稚園や小学校で何かトラブルがあり、家庭でその話をしてきたとしましょう。そのような時は、まずお子さんの話に耳を傾け、頷いて聞いてあげましょう。
そしてお子さんが話終わった後に、
「本当はどうしたかったの?」
「どういう気持ちだったの?」
と聞いてあげましょう。
その上で、例えばお友達を喧嘩をしたのであれば、
「○○君はどんな気持ちだったのかな?」
「どうして△△ちゃんはそんなことしたんだろう?」
と一緒に考えてあげましょう。
そのようなことを繰り返していくと、相手の気持ちに立って考えるきっかけになります。
また親の考えも伝えることで、様々な人の立場になって考える癖がつくでしょう。
習い事は自己肯定感を高める一つのツール
今回紹介したようなスキルは、習い事をしなくても養うことができます。
しかし習い事として始めることで、家族以外の人にも認められ、自己肯定感を高めるきっかけにもなります。
第三者から評価されることは、子供だけでなく大人も嬉しいと感じることでしょう。
習い事のいいところは、そのような子供の自己肯定感を高められることだと私は思います。
自己肯定感を高められると、失敗を恐れず「まずはチャレンジしよう」という力が湧いてきます。
この力は先が見えないAI時代においても、恐れず挑戦する力につながるはずです。
豊かな人間性が育てば子供たちの未来は明るい
子供たちの未来は、私たちの想像では測りきれないものです。
しかしそんな時代だからこそ、親と子供がしっかり向き合い、人間性を育てることが大事でしょう。
今回は5つのキーワードでAI時代に役立つ習い事を紹介しましたが、これらは家庭で養えることでもあります。
もし習い事で養いたいとしても、過度な期待はせず、「習い事は子供の自己肯定感を高める一つのツール」と捉えましょう。
そしてお子さんが習い事で何かできるようになったら、しっかり褒めてあげましょう。
自己肯定感を高められれば、何事にもチャレンジできる子供に育ってくれるはずです。