2020年度から、小学校でプログラミング教育が必修化されました。
このタイミングで、多くの家庭でプログラミングスクール通学を始めたり、オンラインプログラミング学習を始めたりしたのではないでしょうか?
以前、以下の記事でプログラミングのスクール通学とオンライン学習について比較解説しましたが、
コスト面ではスクール通学よりもオンラインプログラミング学習のほうが安く済むのが一般的ですので、
プログラミング学習のスタートとして、オンライン学習を選ぶ親御さんが多い印象です。
一方で、オンラインプログラミング学習はなかなか続けられないデメリットも。
そこでこの記事では、小学生の子供がオンラインプログラミング学習を続けられない理由や、解決する方法を紹介します。
この記事はこんな人におすすめ
・子供のオンラインプログラミング学習が続かなくなってきた
・通学スクールも検討中だがコスト的に厳しい
・オンラインプログラミングでもモチベーションを維持して学習するには?
・オンラインプログラミング学習のコツを知りたい
・小学生のオンラインプログラミング学習が続かないのはモチベーションが維持できないから
・学習モチベーションの維持にはコミュニケーションの場や発表の場などが必要
・またレベルに応じた教材や周囲からの声がけも重要
・うまく継続できれば通学スクールよりも子供自ら学ぶ力を養える
・オンラインプログラミング学習をサポートしてくれるサービスもある
・未来型スキルを養うならオンラインプログラミング学習がおすすめ
小学生の子供のオンラインプログラミング学習が続かない理由
大人向けプログラミングスクール「侍エンジニア塾」を運営する株式会社侍が行った調査によると、プログラミング学習者の約9割が挫折を経験しているのだそう。
また同調査では、プログラミング学習の挫折の理由についてもアンケートを実施。すると以下のようなものが挫折の理由として挙がっています。
- 不明点を聴ける環境になかった
- エラーが解決できなかった
- モチベーションが続かなかった
- 学習のゴールがわからなかった
- 環境構築でつまずいてしまった
- 教材がわかりづらかった
- 学習時間が思うように取れなかった
以上の結果を、小学生の子供に照らし合わせて考えてみました。以下にまとめましたので参考にしてくださいね。
- わからないところをすぐに解決できない
- 学習モチベーションを保ちにくい
- 特に作りたいものがないまま学習を始めている
- ゲーム感覚でやっていたけど難易度が上がり楽しくなくなった
- 友達など仲間同士でコミュニケーションを取りにくい
- 学校の宿題や他の塾などに追われて学習時間が確保できない
次の項目から、以上の点について詳しく解説していきます。
わからないところをすぐに解決できない
小学生向けのオンラインプログラミング学習サービスは、初心者でも取り組みやすいように工夫されています。
代表的なものがビジュアルプログラミング「Scratch」です。
このスクラッチは、ゲームを作る際に必要なプログラムが子供でも理解できる言葉で表現されています。
例えば
「10歩動かす」
「15度回す」
といった感じです。
…とはいえ、子供が自分が思う通りのプログラムを組み立てようとすると、必ずうまく動かせない事態に遭遇します。
このとき、お子さんの隣で学習を見ている親御さんがそのトラブルを解決できたり、解決のためのヒントを与えられたりできたらいいのですが、
プログラミングをやったことのない親御さんにとってはなかなか難しいことだと思います。
オンラインプログラミング学習においては、このような壁にぶつかったとき「いかにスムーズに解決できるか」が、学習を継続できるかどうかのカギを握っているといっていいでしょう。
学習モチベーションを保ちにくい
オンラインプログラミング学習は、モチベーションを保ちにくいデメリットがあります。
プログラミングスクールであれば、先生との間で目標を決めたり、発表の機会を設けてくれたりして、
モチベーションを保ちやすい工夫をしてもらえるでしょう。
教材の中には、ステージをクリアする度にイベントが発生して、モチベーションの維持に役立ってくれるものもあります。
一方、学習モチベーションを保つ工夫がない教材を使って自宅でオンラインプログラミング学習を進める場合は、
なかなかやる気を継続するのが難しいでしょう。
特に作りたいものがないまま学習を始めている
あなたのお子さんがプログラミング学習を始めるきっかけは何でしょうか?
しかし特に作りたいものがないまま「プログラミングの授業が学校で始まるから」といった理由で始めた場合、
モチベーションが保てず挫折することも…。
私自身、娘がプログラミングスクール通学をする少し前に、プログラミング学習をしていました。
ただ、気づいたんです…自分には開発したいサービスがないということに…
おそらく、自分が開発したいゲームやアプリがあれば、途中で壁にぶつかるようなことがあっても、何とか解決しようとすると思うんですよね。
でもそのような作りたいものがないまま学習を続けるのは、
いわば「ゴールがないのにコツコツ走り続けなければならないマラソン」のようなもの…
最初はゲーム感覚でやっていたけど難易度が上がり楽しくなくなった
子供向けオンラインプログラミング学習教材は、初めてプログラミングに触れる子供でも取り組みやすいように作られています。
しかし最初はゲーム感覚でプログラミング学習に取り組んでいたとしても、
ある程度レベルが上がってくると、徐々に楽しさよりも難しさが優っていきます。
以下の記事ではHour Of Codeの学習ステージについて詳しく解説していますので、どんな学習内容か知りたい方は参考にしてくださいね。
友達など仲間同士でコミュニケーションを取りにくい
自宅でオンラインプログラミング学習を進める場合、友達や先生とコミュニケーションをとる機会は当然少なくなります。
プログラミング学習を行う上で、コミュニケーションはそこまで必要ないと思われるかもしれません。
しかし学習を続けていく上で何かうまくプログラムが動かなかった際、同様に学習を進めている人の存在はかなり重要です。
娘もプログラミングスクールで学習する中で、
同世代の子が作るゲームに刺激を受けたり、友達が思い通りにプログラムを動かせない場合にアドバイスをしたりしています。
学校の宿題や他の塾などに追われて学習時間が確保できない
2019年にバンダイが行った調査によると、3歳~小学6年生の子どもの1人あたりの習い事の数は以下の通り。
- 1つ:46.6%
- 2つ:33.1%
- 3つ:15.1%
- 4つ以上:5.1%
つまり、習い事を2つ以上している子供が半数以上を占めることがわかりました。
これに加え、小学生となると学校での宿題も出されるようになり、さらに学習塾などの課題も出されると考えると、
小学生の子供であってもなかなか忙しい毎日ですよね…。
自宅でできるオンラインプログラミング学習は、いつでも行えるメリットはあるものの、
忙しいとついつい後回しにもなりやすいデメリットがあります。
宿題や他の塾の課題にも追われている子供の場合、
オンラインプログラミング学習が後回しになってしまい、なかなか続かない原因にもなりやすいでしょう。
小学生の子供がオンラインプログラミング学習を継続するには?
では小学生の子供がオンラインプログラミング学習を継続するにはどうしたらいいのでしょうか?
今回は6つの対策を紹介します。
気軽に相談できる場を見つける
自宅で自分でオンラインプログラミング学習を進めている場合、
プログラムがうまく動かないときにスムーズに解決できる場を見つけるのが大切です。
例えばCoderDojoという全国各地にある子供のためのプログラミング道場は、
無料でメンターからプログラミングを教えてもらえます。
また、プログラミング学習サービス「Scratch」でゲーム作りを進めるのであれば、
公式日本語フォーラムの質問コーナーを活用することもできます。
公式日本語フォーラムの質問コーナーもご活用ください。 質問コーナー3 – Discuss Scratch https://t.co/viRttgWGnR
— アベ先生 (CV: 阿部和広) (@abee2) February 22, 2020
学習教材のレベルが合っているかどうか確認
自宅でオンラインプログラミング学習を進める際は、
お子さんのレベルに合っている教材かどうかをチェックする必要があります。
近年小学生向けに開発されているオンラインプログラミング学習サービスは、
Scratchのようなビジュアルプログラミングなので、お子さんでも理解しやすいようになっています。
またパソコン操作はある程度できたとしても、やはりプログラムの仕組みが理解できていないと、
操作方法がわからなかったり、楽しみが見い出しにくかったりするでしょう。
場合によっては、小学生でもスクラッチジュニアからはじめたほうがいいケースもあるでしょう。
コミュニケーションの場を見つける
自宅で1人でプログラミングをやることが好きな子供は、
黙々とゲーム作りなどに取り組めるかもしれません。
しかし普段から友達と遊ぶのが好きなお子さんであれば、
やはりプログラミングを行う際も仲間がいたほうがスムーズに学習が進められる可能性があります。
リアルな場でそのようなプログラミング仲間を見つけられるのもいいですが、
オンラインで仲間を見つける方法も。
例えばオンラインプログラミング学習サイトであるスクラッチは、
同様にプログラミングを行う人とコミュニケーションが取れる場でもあります。
そして娘が「いいよ」と返信すると、娘のプログラムをミックスした作品が公開されたのです。
このように、自分の書いたプログラムを評価してもらえたり、それをもとに新たな作品が生まれたりするのが、Scratchの楽しさです。
発表の場を設ける
通学するプログラミングスクールでは、
プログラムを発表する場が設けられていることが多いです。
しかし自宅でオンラインプログラミング学習をする場合は、どうしても発表の場を設けにくいのが現状。
なので家庭でオンラインプログラミング学習を進める場合も、
発表の場を設けてみると楽しいかもしれません。
例えば作ったゲームを家族にも遊んでもらう時間を設けたり、
家庭でプレゼン発表の場を設けたりするのもいいでしょう。
目標を設定する
何か目標を1つ決めると、何事もモチベーションを保ちやすいですよね。
例えばスクラッチでゲーム作りをするのであれば、
参考にしたいゲームを1つ決めて、そのゲームを目標にプログラムを組み立てていくのでもいいでしょう。
登校前のScratchタイム。娘はひとつひとつの動作にかなりこだわりがある。時間はかかるけど、何とか自分の思い通りの動きにするために試行錯誤していて感心…。 pic.twitter.com/iH79CUud3Z
— まゆみ@ライター (@mayumi_writing) November 16, 2020
このように目指すゲームやアプリケーションがあると、そのクオリティに近づけよう、というモチベーションが生まれやすいでしょう。
講師のサポートが受けられるサービスを利用する
オンラインプログラミング学習の中には、
講師のサポートが受けられるものもあります。
これまで自宅でのオンラインプログラミング学習が続かなかった家庭は、このようなサービスを利用するのも検討してみてください。
家の近くにプログラミング教室がない家庭にもうれしいサービスでしょう。
次の項目でオンラインサポートが受けられるサービスを紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
オンラインプログラミング学習が続かない小学生におすすめのサービス
オンラインプログラミング学習が続かなかった小学生には、自宅にいながらオンラインサポートが受けられるスクールがおすすめです。
今回は2つのサービス(スクール)を紹介しますね。
オンラインサポート付き プログラミングスクール | 対象年齢 | 頻度 | 料金 | 内容 | 公式サイト |
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Tech Kids Online Coaching | 小学3年生〜中学3年生で プログラミング初心者の子供 ※パソコン操作ができれば 小学1・2年生でも相談可 | 専属コーチによる 月3回(1回30分)の マンツーマン面談 ※チャットサポートは いつでも利用可能 翌日以内に返信が来る | 12,000円(税別)/月 | オンラインプログラミング教材 「キュレオ」を使った学習 | Tech Kids Online Coaching |
D-SCHOOL オンライン個別指導 | 小学3年生~中学3年生 | 月2回・1回60分 | 入会金:10,000円(税込) 月額:14,850円(税込)/月 | ・オリジナルプログラミング教材 「マイクラッチ」を使った学習 ・Scratchを使った ・このほかJrプログラミング | D-SCHOOLオンライン |
Tech Kids Online Coaching
Tech Kids Online Coachingは、サイバーエージェントが運営するプログラミングスクール「Tech Kids Online Coaching(テックキッズスクール)」のオンライン継続コースです。
Tech Kids Online Coachingの特徴は、いつでもなんでも聞けるチャットサポートがあるところ。
そして学習教材には、オリジナルのオンライン教材「QUREO(キュレオ)」を使用しています。
Tech Kids Online Coachingで月3回行われるマンツーマン面談は、以下のような内容です。
- 学習の進捗状況
- 知識の解説
- 次回面談までの目標設定
特に「次回面談までの目標設定」は、継続的な学習習慣に好影響を与えるでしょうね。
Tech Kids Online Coachingのマンツーマン面談を担当してくれるのは、厳正な選考を合格したコーチたち。
無料のオンライン体験会も実施されていますので、以下の公式サイトからチェックしてみてくださいね!
D-SCHOOLオンライン個別指導
Tech Kids Online Coachingと同様のサービスとしては「D-SCHOOLオンライン個別指導」もあります。
これはオンラインプログラミングスクール「D-SCHOOLオンライン」の個別指導コースとして始まったもので、
通常のD-SCHOOLオンラインが自宅で生徒が自ら学習を進めていくスタイルを取るところ、
個別指導コースではオンラインマンツーマンサポート体制が取られています。
D-SCHOOLオンライン個別指導の特徴は、未来相談までできるところ。
「プログラミングを使って将来何ができるの?」
「プログラミング学習はどう役に立つの?」
といった素朴な疑問にも、専属講師が答えてくれます。
「子供自ら学ぶ力」を育てるならオンラインプログラミングがおすすめ!
プログラミングスクールに実際に通って、教室で手厚いサポートが受けられるのはもちろん魅力的です。
しかしある程度プログラミングの知識がある場合は、自分自身で学習を進める力も必要でしょう。
自ら情報を収集し、困ったときはヒントを得られるような環境を整えることが、
プログラミング学習だけでなく、あらゆる学習の土台となる“未来型スキル”を獲得するためには必要になっているんです。
このようなスキルは、2020年度からはじまった「新学習指導要領」でも重視されています。
新学習指導要領でも“主体的な学び”が求められている
従来、公教育現場で行われてきた教育・指導では、「学んだことをきちんと理解しているか?」という点が重視されていました。
しかし2020年度からはじまった「新学習指導要領」では、子供が自分で考え表現する力や、自分で判断し実際の社会で役立てる力が重視されるように。
つまり公教育でも、生徒自身が主体的・能動的に授業に参加するスタイルに変革しつつあるのです。
このような、新しい学びのスタイルを取り入れた学校の授業でも、子供たちが意欲的に学ぶためには、
子供自ら課題を発見し、課題を解決するにはどうしたらいいのかを主体的に考え、学んでいく姿勢が求められます。
以下の政府インターネットテレビでは新学習指導要領について動画で解説されています!子供たちの学びの形がこれからどう変わっていくのか知りたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
今回紹介したサービス(プログラミングスクール)は、基本的には自分のペースで学び、わからないところは相談できるような体制をとっています。
このように主体的に学ぶ習慣をつけることは、新学習指導要領で学んでいく上でも役立つと考えられます。
小学生のオンラインプログラミング学習はモチベーションの維持がポイント!
ここで、今回紹介した小学生がオンラインプログラミング学習を継続する際のポイントをおさらいしておきましょう。
- 気軽に相談できる場を見つける
- 学習教材のレベルが合っているかどうか確認
- コミュニケーションの場を見つける
- 発表の場を設ける
- 目標を設定する
- 講師のサポートが受けられるサービスを利用する
これらのことを一気に試すのは難しいかもしれませんので、まずは1つのことからでもはじめてみてください。
きっとお子さんが楽しくオンラインプログラミング学習を継続するきっかけがつかめるはずです。
対策6つ目の「講師のサポートが受けられるサービス」は、今回紹介した2つサービスをぜひ検討してみてください。
いずれも自分で学習を進める力と、課題を自ら質問し、解決する力が養えます。
無料のオンライン体験会は以下から申し込めますので、ぜひ試してみてくださいね。