あなたは子育てで悩んだ時、どうしていますか?
身近なママ友や親、兄弟に相談してアドバイスをもらう
など、いろいろとアクションプランは考えられますね。
いずれも今ある悩みの種を解決に導く際に、手助けになる方法だと思います。
しかし子育ては一筋縄でいかないことの連続。
その日の悩みは解決できたとしても、親自身の考え方を根本から変えないと
悩みが尽きない毎日を送ることさえあります。
そんな「親自身の根本的な考え方」を徐々に変える手助けになるのが
「本を読むこと」だと私は思います。
私自身、今回紹介する佐々木正美さんの本に出会い、
子育てに対する考え方がガラリと変わりました。
そしてそれまでは、娘を
「自分で何でもできる子に育てなければ」と考えていたのですが、
自分が困っている時は人を頼っていい。
同様に娘が誰かに頼られた時、手を差し伸べられる子になってほしい。
そうやって周囲の人と支え合いながら生きてほしい。
と考えられるようになりました。
前までは娘に「何でも自分でできる子に育ってほしい」と思っていたけど、今は「自分が困っている時に誰かに助けを求めながら、人と支え合って生きれるようになってほしい」と思えるようになった。生き抜くってそういうことだよな。
— まゆみ@ライター (@mayumi_writing) December 20, 2020
今回はこのように、私が娘に対する関わり方をガラリと変えてくれた、
いわば私の子育てのターニングポイントとなった本を5冊紹介したいと思います。
嫌われる勇気(岸見 一郎/古賀 史健)
世界的にはフロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨匠とされながら、日本国内では無名に近い存在のアルフレッド・アドラー。
「トラウマ」の存在を否定したうえで、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、
対人関係を改善していくための具体的な方策を提示していくアドラー心理学は、
現代の日本にこそ必要な思想だと思われます。本書では平易かつドラマチックにアドラーの教えを伝えるため、
哲学者と青年の対話篇形式によってその思想を解き明かしていきます。出典:Amazon
娘の課題と自分の課題を切り離せるようになった
「『嫌われる勇気』に育児に関することが書いてあるの?」と不思議に思われる方も多いかもしれません。
私も当初は、育児に関する悩みを解決するために読み始めた本ではありませんでした。
しかし実際に嫌われる勇気を読み進めてみると、
育児で感じる悩みを含め、あらゆる日常のモヤモヤが消えていきました。
特に育児中の方が嫌われる勇気で読んでほしい部分が
「第三夜 他者の課題を切り捨てる」
です。
私はこの章を読んで、娘の課題と自分の課題を切り離して考えられるようになりました。
たとえば本章では以下のような部分があります。
世の親たちは、頻繁に「あなたのためを思って」という言葉を使います。しかし、親たちは明らかに自分の目的——それは世間体や見栄かもしれませんし、支配欲かもしれません——を満たすために動いています。つまり、「あなたのため」ではなく「わたしのため」であり、その欺瞞を察知するからこそ、子どもは反発するのです。
出典:嫌われる勇気
この部分を読んで、私はハッとしました。
確かに、私は娘の将来のことを考えているつもりで
「なんでも自分でできるように」と、色々と指摘してきました。
でも「本当に娘の将来のために言っているのか?」と改めて問われると、
自信がなくなりました。
なぜならその“将来”を生きていくのは、
私ではなく娘自身だからです。
「今のうちにできておいたほうが将来のためになる」と親が思うようなことも、
もしかすると子供が大人になった頃には、
自分でできなくても良い世の中になっているかもしれません。
そう、親が「将来のために」と口にする“将来”は、
実は誰にもわからないのです。
“そのこと”が、今できておいたほうがいいかどうかを判断するのは、親ではなく子供です。
その課題は子供自身のものであって、親の課題ではないのです。
嫌われる勇気の「第三夜 他者の課題を切り捨てる」では、
こんな子供の課題と親の課題とを分離するための考え方が書かれています。
私はこの章を読んで、とても心が軽くなりました。
子どもの心の育てかた(佐々木 正美)
子どもにとってもっとも大切なものは、
どこででも根を張り花を咲かせることができる、あたたかくて強い心。「子どもとともに生きるすべての方がたが、長くて短い育児の期間、
乳幼児期から思春期まで、いつどこからお読みいただいてもいいように、
と願いながら綴りました。子どもの成長のあらゆる季節に、
そっとお手元に置いていただけましたら幸いです」(「はじめに」より)出典:子どもの心の育てかた
「過保護」と「過干渉」との違いを教えてくれた一冊
私が佐々木正美さんの本に出会ったのは、娘が幼稚園年長の頃。
佐々木さんの著書で私が最初に読んだのは「子どもへのまなざし」でしたが、
今回はKindle版があり、内容も比較的コンパクトで読みやすい本書「子どもの心の育てかた」をセレクトしました。
佐々木さんの本で私が最も衝撃的だったのは、以下の内容です。
過保護を心配することはありません。過保護というのは、子ども自身がのぞむことを過剰に与えることです。それよりも避けなければいけないのは過干渉です。なぜいけないのかといえば、それは子どもがのぞむことではないからです。
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子どもがのぞむ通りになんでもしてあげすぎることが「過保護」で、いっぽう子どもはのぞんでいないけれど、親が一方的に「こうしたほうがいい」と思うことをいったり、したりすることが過干渉です。
出典:Amazon
この部分を読み、今までの自分自身の、娘との関わり合い方を振り返って、
「たしかにそうだ」と思わされずにいられませんでした。
親は子供が「こうしたい」「ああしたい」と言ってきたとき、
それを「わがままだ」と言ってしまうことがあります。
しかしそれは、親の視点でわがままかどうかを決めてしまっているだけです。
親の価値観で物事を見て、
「将来のためにはこっちのほうが大事。だから今これをやりたがるのはわがままだ」
と考えてしまっていることが多いのです。
佐々木さんは本書の冒頭でこう書かれています。
お母さん、お父さん。
どうぞ子どもを甘やかすことを決して恐れず厭わず、一生懸命にかわいがって育ててあげてください。いい子にしているときにかわいがるのではなく、どんなときにも愛してあげてください。
出典:子どもの心の育てかた
私も本書を読んでから、親から見た“いい子”にこだわらず、
娘の行いを愛情を持って見守れるようになりました。
不登校は1日3分の働きかけで99%解決する(森田 直樹)
不登校で苦しむ家族の希望の書! 不登校になってしまった原因は追及せず、1日3分の家族の働きかけにより、子どもの心のコップを満たしていくことで、必ず再登校が実現します。豊富な成功事例が全国で注目の的です。
出典:Amazon
この本で私たち親子は変わった
私が「不登校は1日3分の働きかけで99%解決する」に出会ったのは、娘が小学2年生のとき。
娘は2年生から登校しぶりが始まり、実際に学校を休む日も増えてきました。
2年生の1学期はスムーズに登校することは少なく、
一旦登校したと思っても引き返してきたり、
私が付き添って登校しても、結局一緒に自宅に帰ってきたりすることも。
そんななか、Twitterで紹介されていた
「不登校は1日3分の働きかけで99%解決する」を読みました。
本書では不登校や登校しぶりになってしまっている子供を
「“心の栄養不足”に陥っている状態」と表現しています。
そしてこの“心の栄養不足”を解決するには、
子供の“心のコップ”に水(愛情)を注いであげることが大事と書かれています。
これだけを聞くと「?」となるかもしれません。
また「不登校になってしまった原因を解決しなければ、不登校は終わらない」と考える親御さんも多いでしょう。
私も「これだけで大丈夫なのだろうか?」と思いながら、
本書に書かれている子供の心のコップに水を注ぐ方法を実践していきました。
すると驚くことに、私自身も娘も日々の中に希望を見出せるようになり、
徐々に自信を取り戻していきました。
小学3年生になった今では、毎日元気に小学校に登校し、
「学校に行きたくない」と言うことさえもなくなりました。
おそらく、本書に書かれている内容を実践していこうとすると、
最初はうまく行かず、親子共々戸惑うことがあると思います。
特に子供を褒めることに慣れていない親御さんの場合は(私もそうでした)、
「こんなこと毎日続けられない…」と悩んでしまうかもしれません。
しかし1週間でも、本書で書かれていることを続けると、
子どもをよく観察する目が養えます。
なぜなら子供に自信をつけさせる声がけをしようとすると、
「うちの子にはどんな良い点があるのだろう?」という視点に立って
子供の行動をつぶさに見られるようになるからです。
子どもをよく観察できるようになると、
適切なタイミングで子供に自信をつけさせる言葉をかけてあげられたり、
そっと背中を押してあげられるような言葉をかけてあげられたりできるように。
本書のタイトルには「不登校」とありますが、
あなたのお子さんが不登校になっていなくても、
この本には親子の絆を深めるために大切なことがたくさん書かれています。
子育てする多くの親御さんに読んでほしい一冊です。
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反応しない練習(草薙龍瞬)
ブッダは実は、「超クール」――
“独立派”出家僧が教えるあなたの悩みを解決する「原始仏教」入門!誰かの言葉にすぐ反応。SNS、ツイッター、ネット記事に常に反応……毎日、ムダな「反応」をしていませんか?
すべての「苦しみ」は、自分が「反応する」ことから始まっています。それを理解することが、悩みを解決する第一歩です。出典:Amazon
子供に対する不安のほとんどは妄想
2020年3月、新型コロナウイルス感染症の影響で、
全国の小中学校で休校措置がとられました。
この休校期間中、
子供の勉強を家で見ながら家事・仕事をしなければならない状況や、
テレビをつけるたびに流れる深刻な状況によって、
ストレスフルになった親御さんも多かったでしょう。
かく言う私も、そんな親の1人でした。
しかしこの「反応しない練習」を何度も読み返して、心を落ち着かせることができました。
私にとって、いわば恩人のような一冊です。
色々としんどい状態が続いてきた。同じような状況の人も多いのかな?と思うので、こんな中でもなんとか思考をリセットするのにおすすめしたい2冊。これまでもちょくちょく登場している私の救世主…今から家事しながら読む(聴く)。https://t.co/xAmuk5cXelhttps://t.co/PWVeaGCQ7j pic.twitter.com/loHUJjLyE3
— まゆみ@ライター (@mayumi_writing) May 19, 2020
この本の中では、以下のように書かれています。
すべての悩みを根本的に解決できる方法があります。それは──〝ムダな反応をしない〟ことです。
出典:反応しない練習
- 子供が宿題をやらずにゲームばかりしていたり
- 学校からのお便りを何度言っても出してくれなかったり
- 明日の学校の準備が自分でなかなかできなかったり…
私たち親は、こんな子供の様子を見て
「このままでは将来が不安」
「将来まともな仕事に就けるのだろうか」
と悩んでしまいます。
でもその悩み、実は勝手な妄想。
なぜならその“将来”は、誰にも分からないから。
本書を読めば、子供の言動やテレビやSNSでの情報にムダに反応しないようにする術が分かり、
ストレスフリーに子供と関われるようになります。
「最近気がつくと子供を叱ってばかり」
という親御さんは、ぜひ一度本書を読んでみてほしいです。
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子どもが育つ魔法の言葉(ドロシー・ロー・ノルト/レイチャル・ハリス)
世界22カ国で愛読され、日本でも120万部を超えるベストセラーとなった子育てバイブルが待望の文庫化!
子育てでもっとも大切なことは何か、どんな親になればいいのかというヒントがこの本にあります。
出典:Amazon
親は自分が思うよりも子供に力を与えられる
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる出典:子どもが育つ魔法の言葉
これは「子は親の鏡」という詩の一節です。
SNSなどで、この詩を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
本書「子どもが育つ魔法の言葉」は、この詩「子は親の鏡」の作者 ドロシー・ロー・ノルト氏による著書です。
本書は「子は親の鏡」に出てくる言葉になぞって、親が子供とどう関わればいいのかを示してくれています。
本書の良い点は、それぞれの章が実例とともに記されていること。
実際の親子のやりとりの中で、どこを重視・注意すべきなのかがわかるようになっています。
私も各章の実例を読みながら、
「前のケースはこうしたらよかったんだな」
「昨日は理想的なやりとりができていたかも」
と確認しながら読み進められました。
中にはあなたにとって、
「これは我が家でやるのは難しいかもしれない」
「こんなにスムーズには行かないだろう」
と思えるような内容もあるかもしれません。
しかし本書全体を通して書かれている「親としての在り方」を理解できれば、
きっと今日から子供への接し方を変えられるでしょう。
子どもは、本当に日々親から学んでいます。そして、大人になったとき、それを人生の糧として生きてゆくのです。
出典:子どもが育つ魔法の言葉
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ゆっくり、じっくり読める育児本に出会ってください
今回紹介した子育てに関する本は、
人によって拒絶反応を示すものもあるかもしれません。
なぜならこれまで親御さんが育児において軸としてきた部分を
全て覆されるような内容のものもあるかもしれないからです。
もし今回私が紹介する本を読んで、
「この本は合わないかも」と思ったり、
読み進めるたびに戸惑ってしまったりするのであれば、
読むのを一旦ストップしてほしいです。
なぜならそのような親御さんの動揺は、
お子さんに良い影響を与えられない可能性があるからです。
しかし少しでも
「この本で日頃のストレスを減らせるかも」
「今よりももっと他の視点を取り入れて育児をしたい」
と思うのであれば、どうかゆっくりでも、本を読み進めてみてほしいです。
大切なのは、本に出てきたこと全てを実行しようとせず、
「少しずつ考え方を変えていけばいい」と思うこと。
これまでしてきた育児方法を、一朝一夕で変えることは難しいです。
しかしまずは1週間でも、今回紹介した本で書かれている内容を実践してみて、
今よりももっと、お子さんと穏やかな気持ちで向き合ったり、
お子さんとの絆を深めたりしてほしいと思います。
わたしは娘が3歳あたりになるまでいわゆる育児本をかたくなに読んでこなかったのだけどいまさらそれを激しく後悔してます。原因は「読む→いままでの育児方法を否定される→自分を責める→病む」のループに陥ると思い込んでいたからなのですが実際読んでみるとそんなことはなく→
— まゆみ@ライター (@mayumi_writing) February 2, 2020