みなさんは「Minecraft(マインクラフト)」というゲームをご存知ですか?
マインクラフトはハマる子供が続出している「ものづくりゲーム」です。
わたしの娘も例に漏れず、ハマってしまっています(笑)
今回は子供達が夢中になるこのゲームを親目線で理解したいと思い、
以下の書籍を購入しました。
この書籍の中にはマインクラフトがただのゲームではなく、
未来型スキルを養えるツールであることが書かれています。
そこでこの記事では本書で書かれていることや、
マインクラフトの可能性について解説していきます。
ハマる子供が続出!ものづくりゲーム「マインクラフト」とは
マインクラフトは仮想空間で生活していくゲームです。
マインクラフトの世界では、ありとあらゆるものがブロックでできています。
自分が操作するキャラクターはもちろん、家や木々、生き物なども全てブロックで作られているんです。
マインクラフトには明確なゴールがない
マインクラフトは一般的なRPGゲームとは違い、明確なゴールがありません。
マインクラフトのワールドはとても広大で、無限の冒険に出かけられるんです。
またマインクラフトのモードは大きく分けて2つ。
サバイバルモードとクリエイティブモードがあります。
クリエイティブモードは資源が無限に与えられ、プレーヤーは自分が作りたいものを思うように作ることができます。
一方でサバイバルモードは資源を得るためにワールドを探索しなければなりません。
夜になるとモンスターが現れ攻撃されるので、身を守るために工夫することも必要なんです。
私の娘もマインクラフトにハマっています
あっ、屋根の作り方分かったわ!こうやって作るのか、、、今度やってみよ。そういやヒカキンもこうやってたわ!なるほどなるほど、、、
って独り言言いながらマイクラ解説本読んでる。#小学生 #小1
— まゆみ@WEBライター (@mayumi85596132) 2018年11月4日
私の小学1年生の娘も、マインクラフトにハマっています。
初めはいきなりサバイバルモードで始めてしまい、モンスターに襲われてプチパニックになっていた娘。
しかしクリエイティブモードに切り替えたらゆっくり建物を作る楽しさがわかったようで、
どんどんマイクラにのめり込んでいきました。
その様子を見て、わたしは「なぜここまでハマるのか?」と気になってきました。
そこで購入してみたのが、書籍「マインクラフトで身につく5つの力」です。
「マインクラフトで身につく5つの力」を読んで分かったこと
書籍「マインクラフトで身につく5つの力」の中では、ゲームをすることで以下の5つの力が身につくと書かれています。
- 創造力
- 自ら学ぶ力
- 問題解決力
- 理工系の思考力
- コミュニケーション力
これらの5つの力は、わたしも娘がマインクラフトで遊ぶ様子を見て、「確かにそうかも」と感じる部分がありました。
ここから実際の娘のエピソードも添えて解説していきます。
マインクラフトは計画性を養える
前述したように、マインクラフトは一般的なRPGゲームとは違い、目指すべき目的やゴールが決められていません。
自分でやりたいことを自由にやれるゲームなんです。
例えば娘の場合はサバイバルモードでモンスターに襲われるのが怖くて、
その危険性がないクリエイティブモードでとにかく建物を作ってみることにしました。
このように自分でワールドを決めて、それに応じた遊び方ができるのも面白い点でしょう。
マインクラフトにはワールドに昼夜があります。
そして一番最初は夜眠りにつく場所もありません。
なので休むためには自分で家やベッドを作ったり、そのための材料を獲得しに行かなければならないんです。
マインクラフトは自ら情報を取りに行ける
マリオオデッセイもマインクラフトもそうなんだけど、分からないところはYouTubeで検索してやり方調べて、それからやってみてまたうまくいかなかったら調べて、って繰り返して進めてる。で、マイクラはどうも良さげな動画が見つからないらしく、解説本一生懸命読み込んでる。
— まゆみ@WEBライター (@mayumi85596132) 2018年11月2日
マインクラフトでは知りたい情報を自ら調べて学ぶ力も必要になります。
娘の場合、マインクラフトを始めた当初は想像以上に何もないワールドにびっくりしたようでした。
建物もどう作ればいいのかわからず困っていたので、一緒に本屋に行き、下記の解説本を購入してきました。
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するとこの本に載っている自分の作りたい建物を見ながら、
ブロックがいくつ必要なのかを調べてメモを取るようになりました。
マインクラフトのこのような情報は、解説本だけでなく、YouTubeのプレイ動画やインターネット上のブログなどでも調べられます。
RPGのように始めからだいたい物語が決まっているゲームとは違い、
自分のやりたいことをするにはどうしたらいいのか、自分で調べて学び、実践する力がつく場と言えるんです。
トラブルを子ども自ら解決する
マインクラフトのワールドで生活していると、あらゆるトラブルが起こります。
例えば娘の場合、露天風呂のある家を作るときに事件が発生しました。
「お母さん!大変なことが起きちゃった……」と言ってきたので見てみると、
露天風呂からお湯が溢れて隣の家の1階が浸水していました。
「どうしよう、これ消しちゃおうかな」と落ち込んでいる娘に、
わたしは「何か水を取り除く方法があるんじゃない?」と言ってみました。
すると娘は「バケツですくってみたらなんとかなりそう!」と言い、
必死にバケツで水をくみ、なんとか浸水を改善させられました。
このようにマインクラフトではさまざまなチャレンジがしやすい分、
失敗することもたくさん出てきます。
そのようなアクシデントを解決する方法を自ら調べたり、調べて出てきた方法を実践したりして、
問題解決する力が身につくんですね。
レッドストーン回路でものづくりの基本を学べる
マインクラフトの中では「レッドストーン」というブロックが出てきます。
このブロックではコンピューターの論理回路「AND回路」「OR回路」 「NOT回路」が学べるようになっているんです。
このレッドストーンを使えば、自動ドアも作ることができます。
レッドストーンをブロックの下に敷いて、その上にドアや感圧板を置くことによって、
人がドアの前に立ったらスイッチがオンになりドアが開く、と言った仕組みを作ることができるんです!
書籍「マインクラフトで身に付く5つの力」の中ではこの他にも、
小麦の自動収穫機や電子レンジと言ったレッドストーン活用事例が載っていました。
レッドストーン回路を活用すれば、様々な自動化ツールを自ら考えて生み出すことができるんですね。
マルチプレイならチームで成し遂げる喜びが得られる
マインクラフトは複数人でマルチプレイするのも可能です。
マルチプレイではメンバーと交流しながら街を作ったり、
ルールを作ってそのワールドでストーリーを繰り広げることができるんです。
これは教育現場でも活用されています。
例えばアメリカの授業では「アクティブ・ラーニング」の一貫として
マインクラフトのマルチプレイが活用されています。
アクティブ・ラーニングとは?
従来型の「教師→生徒」の一方的(生徒にとっては受動的)な学びではなく、生徒を中心とした能動的な学びのことを指す
またスウェーデンでは、マインクラフトのワールドで都市開発を行う授業を実施しています。
生徒たちはそれぞれ建物を作る担当、環境を守る担当、と分けて開発を進めていくのです。
こうやってグループでコミュニケーションを取りながらゲームを進め、
ゴールに向かって取り組む力が養えるんですね。
マインクラフトの遊びは子供にどんな影響を与えるの?
ここまでは書籍に出てきた、「マインクラフトで身につく5つの力」について解説してきました。
ではこれらの力は実際に子供にどのような影響を与えるのでしょうか。
これからのグローバル社会で求められる21世紀型スキル
書籍「マインクラフトで身に付く5つの力」の中では「21世紀型スキル」について言及されています。
21世紀型スキルとは、これからのグローバル社会を生き抜くために必要なもの。
グローバル社会と言われると英語などの語学力が真っ先に思い浮かぶかもしれません。
しかし21世紀型スキルではそのような基本的な学力だけでなく、
自ら考える力や実行する力が重要視されています。
目まぐるしく変化する社会の中で必要とされる21世紀型スキル
現代社会は目まぐるしく変化しています。
例えば10年前は、現在のようにスマホを片手に誰もがすぐにインターネットにアクセスできる世の中になっているとイメージできなかったでしょう。
また身の回りの仕事の機械化も著しいです。
ニューヨーク市立大学教授 キャシー・デビットソン氏は以下のように述べています。
2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう
このような変化が著しい現代社会においては、先の力を読む思考力や、そこで考えたことを実際に試す実践力が大切となってきます。
このようなスキルが「21世紀型スキル」とされています。
マインクラフトでは21世紀型スキルで大切な4つの力を養える
マインクラフトでは、以下のようなスキルが21世紀型スキルに役立つとされています。
- クリティカル・シンキング(批判的思考)
- 創造性
- コラボレーション力・コミュニケーション力
- 計算論理的思考
クリティカル・シンキングとは?
何かトラブルが起こった時にその原因を突き止め、それを解決するための最適解を導く思考法
計算論理的思考とは?
前述したようなコンピューターの論理的回路などを用いた問題解決のための思考法
つまり子供達はマインクラフトを楽しみながら、自然と自ら学ぶ姿勢などを身に付け、
21世紀型スキルが養えるとされているんです。
ゲームでありながら、将来に役立つ教養を育めるんですね。
教材としても注目されるマインクラフト
マインクラフトには教育者向けのエディション「Minecraft: Education Edition」があります。
これは2016年11月にリリースされたもので、コミュニティ内では教育現場での活用事例がシェアされています。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため世界中の学校が休校となっていることを受け、マインクラフトの教育コンテンツが無償提供されています。期間は6/30まで。詳しくは以下の公式サイトをご覧ください。
▶︎無料の教育関連コンテンツが MINECRAFT マーケットプレイスに登場!
海外ではマインクラフトが必修化されている国も
ここまでも少し紹介してきましたが、海外ではすでにマインクラフトが教育現場で活用されています。
例えばアメリカやスウェーデンです。
特にスウェーデンはマインクラフトを開発したMojang ABの本拠地。
スウェーデンのヴィクトル・リュードベリ記念学校では、なんと必修科目としてマインクラフトが取り入れられているんです。
またアメリカでは生徒が主体的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」の一環として
マインクラフトが活用されています。
アクティブ・ラーニングは日本政府も重要視している
国内の小学校では、平成32年度(2020年度)から新学習指導要領が完全実施されます。
文部科学省の資料「新しい学習指導要領の考え方」の中では、以下のように示されています。
「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善を行うことで、学校教育における質の高い学びを実現し、学習 内容を深く理解し、資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続けるようにする
この「主体的・対話的で深い学び」というのがアクティブ・ラーニングのこと。
つまり日本政府としても教育現場でのアクティブ・ラーニングを重要視しているのです。
なので海外事例を参考に、国内の教育現場でもマインクラフトが活用される可能性も十分考えられます。
マインクラフトで遊ぶときに親として気をつけるべきこと
マインクラフトでは将来役立つスキルが身につくとはいえ、
ゲームに没頭する子供を見ると、「大丈夫だろうか?」と心配になるのが親心。
そこでここからはマインクラフトで遊ぶときに親として気をつけるべきことを解説します。
とにかく自由にさせてみる
ゲームの中では食料を獲得するために牛を倒したりします。
親が横から見ているとちょっと残酷に思うようなシーンもあるんです。
しかし実生活でも子供達が知らないだけで、このようなことは行われていますよね。
ゲームを通して自分の知らない世界を知るきっかけにもなるんです。
実生活ではなかなか体験できないことをゲームでチャレンジできるのが、マインクラフトの醍醐味。親もそう割り切って、ゲームの中では子供達の自由な発想を大切にしてみましょう。
また何かトラブルがあっても手は出さず、
子供達自身で考える癖が身につくように見守ってあげてください。
ネットリテラシーやオンラインマナーに気をつける
マインクラフトのマルチプレイモードでは、
世界中のプレイヤーたちとチャットでコミュニケーションを取ることができます。
そこで気をつけるべきは基本的なネットリテラシーです。
例えば自分のIDやパスワード、個人情報は教えてはいけないなど、注意点を子供に伝えなければなりません。
また同様にオンラインマナーにも気をつけなければならないでしょう。
複数人プレイする場合のあいさつや、他の人が作ったものを謝って壊してしまった場合は正直に謝るなど、
ゲームをしていく上で学ぶ部分も多いでしょうが、もし子供が悩んでいるのであればアドバイスしてあげましょう。
子供の作品に目や耳を傾ける
マインクラフトは子供達自身が思いついたことを自由に表現していく場です。
子供が「こんなの作ったよ!」と報告してきたら、その作品の説明に耳を傾けてみましょう。
私の娘も実際に、様々な建築物を私に報告してきます。
このようなときわたしは、娘の話をまず聞き、合間合間に「なぜこれを作ったの?」「これのどういうところがポイント?」「どこか難しかったところはある?」など質問するようにしています。
このようにコミュニケーションを取りながらゲームを進めていくのもポイントだと思います。
実生活につなげてみる
書籍「マインクラフトで身に付く5つの力」の中では、
親子でマインクラフトの実況動画を公開している「つっつクラフト」さんへのインタービューが載っていました。
この親子の驚くべき点は、マインクラフトで興味を持ったことを実生活につなげているところ。
例えばマインクラフトでパンやケーキを作りたい場合、
材料となる小麦粉作るところから始めないといけません。
「つっつクラフト」ではそれを実生活でチャレンジしているんです。
実際に小麦を石臼で挽き、小麦粉を作ることからケーキ作りを行っていました!
YouTubeチャンネルでは、2016年8月に行われたマイクラと教育の未来を考えるイベントで登壇した様子もアップされてました。
つっつくんがマインクラフトでどのように成長していったかがわかる内容なので、ぜひ見てみてください↓
出典:つっつクラフト|YouTube
この動画を見ると、マインクラフト上で興味を持ったことを、
実生活でも試して学んでいくことの大切さがわかります。
実際にわたしの娘も先日スカイツリーを観に行ったときに、
「あれはどうやって建てられているのかな?マイクラでも作ることができるかな?」と言っていました。
このようにゲームを通して、身の回りの仕組みに興味を持ってもらえると嬉しいな、と思います。
マインクラフトはプログラミング学習にもつなげられる
パソコン版マインクラフトではMOD(パソコンゲーム用の改造データ)を組み込むことで、新たな遊び方ができます。
例えばキャラクターにHPゲージを表示させるMODや、天界がモチーフとなった壮大なワールドが組み込めるMODなど、様々なMODが存在します。
このMODは自分でも開発することができ、開発したMODを公開することもできるんです。
MODを作るためには、プログラミングをしなければなりません。
中にはMODを作りたいがためにプログラミングにのめりこむ子供も多いのだとか。
マインクラフトはこのように、ゲームを作る側の世界(プログラミング)に踏み込むきっかけを与えてくれるゲームでもあるんです。
マインクラフトでプログラミングを学べるスクール
マインクラフトでプログラミングを学べるスクールも存在します。
例えばD-SCHOOLオンライン。
こちらではビジュアルプログラミング言語Scratch(スクラッチ)ベースの「マイクラッチコース」が開講されています。
このコースでは自分が作ったプログラムが
すぐにマインクラフトのワールドに反映されるようになっています。
自分でゲームを作り出す楽しさが味わえるでしょうね。
マインクラフトでプログラミングが学べる無料Webサービス
マインクラフトを用いたプログラミングは、無料Webサービス「Hour Of Code」でもできます。
Hour Of Codeにはマインクラフトのステージがあり、このステージではビジュアルプログラミングでキャラクターを操作できるようになっています。
例えば「Minecraft Voyage Aquatic」というステージでは、
プログラミングでキャラクターを操作し、宝を見つけ出す冒険に出かけます↓
「前に進む」と言った基本的な操作だけでなく、「ゴールまで繰り返す」ブロックや「右に道がある時」などの条件分岐も学ぶことができます↓
マインクラフトは21世紀型スキルが身につくゲーム!
マインクラフトは一般的なRPGゲームとは違い、子供達自ら目標を定めたり計画を建てたりして楽しむゲームです。
ゲームをやっていくうちに問題解決力やコミュニケーション力が自然と身につき、
21世紀型スキルとして役立つ思考力が養えるでしょう。
またマインクラフトはプログラミング教育でも活用されています。
今回紹介したHour Of Codeでは
無料でマインクラフトプログラミングを体験できるようになっています。
ぜひこの機会に触れてみてくださいね。
今回参考にした書籍「マインクラフトで身につく5つの力」の中では、
この他にもマインクラフトの可能性について書かれています。
マインクラフトの教育事例や得られるスキルを知りたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。